生活者の多くは、健康的な選択をすることを強く希望し、地球環境についても懸念していますが、味と食感は依然として最優先です。1,000人以上の米国の生活者を対象とした調査で、ミンテルは、ほぼ3分の1が「プラントベースのアイスクリームに、乳製品アイスクリームと同等の贅沢さ」を期待していることがわかりました。ミンテルの別の調査では、70％以上が「アイスクリームでもっとも重要なのは味である」と回答しています。

過去、ヴィーガンアイスクリームやスイーツは、奇妙なフレーバーや魅力に欠ける食感に悩まされてきました。そのため、多くの大手アイスクリームブランドは、ヴィーガンフレーバーを「デイリーフリー」として販売することで、ネガティブな連想を避け、生活者の先入観の形成を防いでいる、とプラントベース食品協会は述べています。同時にフードナビゲーターの報告によると、生活者の65％がプラントベース乳製品について、新しいものを試す機会だと考えており、プラントベースのアイスクリームの選択肢が増えれば、より積極的に試すようになるだろうと回答しています。

ヴィーガンフローズンスイーツに対する生活者の関心はありますが、従来の乳製品アイスクリームに劣らない味でなければならないというプレッシャーは、相当なものです。アイスクリーム特有の成分の複雑さも相まって、人気のある商品のプラントベースバージョンを作るのは、少々大変なことかもしれません。このページでは、プラントベースのアイスクリームと従来のアイスクリームに共通する原材料とその役割についてご紹介します。この知識が、独自のレシピの考案をサポートし、既製品をより深く理解するのに役立つでしょう。

1.　よいレシピが重要です。

卵を使わないアイスクリームのレシピで、植物性の乳製品を単に入れ替えるだけでは、望ましい製品はできそうにありません。

2.　特定の、時には珍しい材料が成功の鍵を握ります。

安定剤、乳化剤の聞いたことがないような名前の原材料も、クリーミーで滑らかな冷凍製品を作るために必要な場合があります。馴染みのない名前でも、その多くは天然由来のものです。

3.　ココナッツ以外のものを考えてみましょう。

ココナッツのフレーバーはどこにでもあるため、熱心なヴィーガンのココナッツファンでさえ飽きてきています。代わりに、自然なクリーミーさを持つオートミルクに注目するか、浸したカシューナッツをピューレ状にして、クリームのような粘度を出してみましょう。

牛乳とクリーム

従来の乳製品には、脂肪、タンパク質、糖分、塩分が含まれており、プラントベースの乳製品にはない特殊な性質を持つものもあります。

- タンパク質は最終製品にとろみをつけ、溶けるのを遅らせるのに役立ちます。

- 脂肪は全体的な食感、特に柔らかさ、コク、クリーミーさに寄与します。また、オーバーラン（空気の混入）のために重要です。

「歯痛情報誌」のセザール・ベガによると、30％以上のオーバーランを達成するためには、脂肪分がレシピ全体の8％以上必要で、この脂肪分の40～50％は常温で固体のタイプであるべきで、バター、ココナッツオイル、ココアバター、パーム油（サステナブルな供給元を確認する）などの脂肪分が良い選択肢となります。
低脂肪のアイスクリームは、期待される食感を得るために乳化剤を加える必要があります。

- 従来の乳製品には当然ながら少量の塩分が含まれているため、ヴィーガンレシピでは味のバランスを取るために、塩分濃度を少し上げることが重要です。

- 乳製品に含まれていたり、別に加えたりする乳固形分は、乳糖やタンパク質の役割を果たします。

卵黄

卵を使用しないアイスクリームは一般的ですが、卵黄は、脂肪分と乳化剤の役割を果たすことを覚えておきましょう。

糖類

スクロース、グルコース、デキストロースなどの糖類は、凍結温度をコントロールし、テクスチャーを向上させ、結晶化を防ぎます。

アイスクリームに使用される砂糖のほとんどは、すでにヴィーガンです。アガベ ネクターやライスシロップのような製品を代用すると、最終製品の風味やテクスチャーに影響を与えることがあります。ですから、従来の糖類を使用した場合と同様の結果を得るためには、慎重に検討し、場合によってはレシピを変更する必要があることを留意しておきましょう。

安定剤や乳化剤のような成分は聞こえはよくありませんが、多くは天然由来で、少量であれば安全に使用できます。さらに、従来のアイスクリームで慣れ親しんだ風味や食感を実現するためには、脂肪やタンパク質など、使われなくなりつつある乳原料の機能を果たす補助的な原材料が必要になることもあります。

安定剤は、空気を取り込み、テクスチャーを改善し、冷凍安定性を高め、溶けるのを防ぎます。一般的なものとしては、アルギン酸塩、寒天、カラギーナン、グアーガム、キサンタンガムなどがあります（植物由来および従来の冷凍製品に見られる）。

乳化剤は、脂肪の分散、空気の取り込み、滑らかなテクスチャーを助け、溶ける温度を上げるのに役立ちます。レシチン、モノおよびジグリセリド、シュガーエステル、グリセリンは、多くの冷凍製品に使用されています。

市販のアイスクリーム用安定剤には、上記の原材料が複数使用されることがよくあります。なぜなら、それぞれ独自の特質があり、他の安定剤や乳化剤と組み合わせることで、より優れた効果を発揮するものが多いからです。

イヌリンを詳しく知る：

チコリとエルサレム・アーティチョークに由来するこの食物繊維は、クリーミーなテクスチャーと甘美な口当たりを実現します。

イヌリンはヴィーガン料理の新たなアイドルであり、多くのシェフが、植物由来の料理で乳製品なしでは不可能だったクリーミーさを与えるのに役立てています。